正坐居合之祖 大森六左衛門正光 江戸三代将軍家光の代寛永の頃 将軍家
御流儀新陰流 鞘ノ内五本をもとに、自己創意の業と将軍家礼法小笠原流をもと
に正坐居合十一本を完成、大森流居合術と名乗った。
居合に正坐を採用したのは大森流が最初で武家礼法に則った正坐居合術は
諸家の殿中座業として修められた。
  當居合術は、大森家家傳として傳承された正坐居合術を承継、三十余年の
馬術修練と代々相伝の正坐居合と一刀流抜刀を研鑽し 大森流越田居合術を
創始、平成十八年越田道場創立。
居合・抜刀の起源は、楠木正成が刀工正宗に造らせた鉢割りからと云はれ、
小楠公正行縁の四条縄手合戦の地 東大阪上四条町で古流居合術傳承と
武士道勉学に勤しんでいます。

道場 越田 喜兵衛
大森流系統
上泉武蔵守無楽齋
上泉孫次郎 義胤
一宮左太夫 照信
柳生石舟斎 宗嚴
伊藤一刀齋 景久
伊藤  典膳 忠也
小栗仁右衛門正信
大森六左衛門正光
居合の本理は短刀にある  「武備和訓」
坐つて刀を抜くを、居合と心得ているが、坐つても立つても、刀が鯉口を離れる
ところに本理があるので、刀を抜くのみが居合ではない。坐つていて、速く刀の
鞘をはづすは誰にも出来る。坐席にあつては、小刀か脇差かの勝負であるから、
居合の本理は短刀にある。刀の遠きに及ぶように短刀を抜き、敵の手を組み合う
ほどの手詰にいて、短刀が近きを刺すように刀を抜く。このようなところに居合の
本理がある。刀が鯉口を離れると同時に、敵を討ち取るのが居合である。


          林崎甚助重信公の秘歌に

          居合とは 人にきられず 人きらず
            ただうけとめて たいらかにかつ

          ぬけばきる ぬかねばきるな此刀
            ただきる事は 大事こそあれ  


居合の根本的要素 
一、速心 ニ心なく唯一に速かな心を言う。
二、忍心 忍ぶ心で物事をよく見て行く穏かな心を言う。
三、先心 敵を知り己をしると言う。
四、仁心 仁愛の心を言う。  

宮本武蔵  「五輪書」
修行者の原則九ヶ条(「地の巻」結語) 
我兵法を学ばんと思う人は、道をおこなふ法あり。
第一に、よこしまになき事をおもふ所。
第二に、道の鍛錬をする所。
第三に、諸芸にさはる所。
第四に、諸職の道を知事。
第五に、物毎の損徳をわきまゆる事。
第六に、諸事目利を仕覚る事。
第七に、目に見えぬをさとってしる事。
第八に、わづかな事にも気を付る事。
第九に、役に立たぬ事をせざる事。

古来剣の六則として云はれてきた言葉にかういふ一章があります。
庶人是を学べば則ち国を治め、君子是を学べば則ち国を治め、
天子是を学び給へば即ち天下を治め給う。
庶人より王侯君子にいたる全て其の道たるや
 このように居合も剣術も人の生活に活かしてこそ、初めてその意義もあり目的も達
せられるものと思います。